京都研修旅行2015


915日(火)から17日(木)の日程で、京都・滋賀に研修旅行に行ってきました。今年度の参加者は28人と盛況でした。約半分は1年生、残りの半分は2年生・3年生のリピーターです。
 
初日の15日は朝745分に大学のスクールバス乗場を出発して、広隆寺と高山寺へ。広隆寺では日本史の教科書でもおなじみの半跏思惟像など、仏教美術の数々を拝観しました。残念ながら宝物館内の写真撮影は禁止されています。京都を訪れた際には、ぜひその目で確かめて見て下さい。
 
広隆寺の宝物殿。この中にあの有名な半跏思像が。
高山寺の石水院は鎌倉時代前期の住宅建築の姿を今に伝えています。学生からは「紅葉の季節に来たい」「気持ちがいい、住みたい」との声も…。高山寺のある栂尾は古くからお茶の産地としても知られており、お茶席で抹茶を楽しむ学生もいました。

緑に囲まれ、清滝川のせせらぎが聞こえる高山寺の参道。

奥に見える屋根が石水院。残念ながら中は撮影禁止。  

高山寺内にある日本最古の茶園。
 
2日目は自由研修です。社寺や博物館、古書店など、事前に計画を立て思い思いに巡ります。卒業論文のテーマに関連する場所を見学する学生もいました。

 最終日は生憎の雨でしたが、滋賀県の彦根城と竹生島、長浜に足をのばしました。                                     彦根城は現存する12の天守の1つで、17世紀の初頭に完成しました。また、彦根城には日本で唯一のお城の中の馬屋が残っています。残念ながら、現在修復工事中でしたが、足場が組まれており、屋根の葺き替えの様子を見学することができました。


彦根城の馬屋。現在は保存のため修復工事中。

吹き替え中の屋根を見ることができました。
中には入れない代わりに貴重な体験ができました。。
 
彦根城の天守。中の階段はかなり急です。

 
琵琶湖に浮かぶ竹生島へ、都久夫須麻神社と宝厳寺を見学しました。どちらも柱や壁を彫刻で飾った桃山時代の華やかな建造物です。豊臣秀吉を祀った豊国神社から移築された宝厳寺唐門は現在修復中で全体を見ることはできませんでしたが、扉など一部からでも豪華さを実感することができます。彫刻や金工、蒔絵(漆を塗って金箔などで飾る工芸の技法)で飾られた都久夫須麻神社本殿も、豊国神社に関連する建造物を移築したものと考えられています。


琵琶湖に浮かぶ竹生島。長浜港から船で約30分。

17日は1日雨でした。百数十段ある急な石段を登るのに一苦労。

 
最後は長浜の町を散策して福山へ。さすがに疲れが出たのか、帰りのバスの中は15日の朝とは打って変わって静かでした。





「台湾文化研修2015」レポート

今年度から、「台湾文化研修」という授業がスタートしました。この授業は隔年開講(前期)で、隔週の授業の後、夏休みに一週間ほど台湾の淡江大学にて語学学習や文化体験、観光で組まれたプログラムに参加する、というものです。今年は7名の学生が参加しました(中国語未学習者でも履修可能です)。ここでは、5つの内容に分けて研修旅行の模様をお伝えします。

① 渡航篇
今回、半数以上の学生が初めての台湾、ということで、色々なものが新鮮に映ったようです。桃園空港到着後、現地スタッフと合流する予定がなかなか会えず…ようやく合流できた後は大学へ移動、滞在の手続き、キャンパスツアーなどをこなしました。
淡水駅です。ここから淡江大学までは、バスに乗って5~10分ほど。

バスの中です。全体的に黄色と赤色。今回出会ったバスの運転手さんは、信号待ちの間にすぐそこのお弁当屋さんまでお弁当を買いに行ったり、窓を開けて隣に止 まっているバスの運転手さんとおしゃべりしたりしたりと非常に自由!ところで、このバスにはこいのぼりが飾ってあります。どこでしょう?

② 授業・文化体験篇
授業は初級中国語と会話の授業がありました。学生の中国語レベルはそれぞれですが、実際に中国語でやりとりする経験は基本的にありません。初級中国語は基本的に全て中国語で行われました。また、文化体験では「布袋劇」「剪紙」に挑戦しました。

わかりやすいプリントを使って先生が単語の説明をしています。この写真は最終授業での一コマ。
一生懸命ノートに中国語と発音を書いています…。

 会話の授業では、実用的なフレーズを学びました。ジュース屋では甘さと氷の量が調節できるので、そのために必要なフレーズなどもボードに書いてありました。
布の袋で作った人形を先生が操ります。動きが本当に細かくて、生きているようでした。
下の写真は各自が自分の人形に色を塗っています。やってみると結構夢中になるものです。
 
③ 観光篇
8/17は、「千と千尋の神隠し」の舞台(という説もある)九フン(にんべん+分)ツアー。朝から移動に移動を重ねて、現地についたのはお昼頃。そこから17時まで自由時間ということに。学生スタッフと途中までメインストリートを案内してもらい、その後は自由行動になりました。
夕方になると赤い提灯が光り、とても美しいです。残念ながら、これは残念ながら昼間の写真。
 


茶館に入り休憩。お菓子とお茶(ほぼ飲み放題)を楽しみながら色々な話をしました。

 帰りは東区という繁華街にて現地解散。書店に行った後は夜市へ行き、
地下鉄とバスで大学に戻ります。写真の建物は地下鉄の駅です。
8/19は、地下鉄で台北101、中正記念堂、西門町をまわりました。清水は参加で きませんでしたが、夕方に学生たちと北門駅にて合流し、中国茶専門店や龍山寺(台北最古のお寺)をまわりました。中国茶専門店のご主人から、龍山寺付近に は有名なかき氷のお店があると聞いた私たちは、そこで迷わずマンゴーかき氷を注文。たくさん歩いた後なだけに、おいしかったですね。
 龍山時は、夜でも熱心にお参りにきている現地の方々で賑わっていました。
構内では音楽が流れているんですよ。
龍山時近くの「龍都」。有名なかき氷店は夜も賑やか。昼は行列ができるそうです。
 ④ アクティビティ篇
福山大学クラスとは別に、二週間前から先行しているプログラムがありました。観光などはそのプログラムに参加している学生たちと合流しましたが、その他に帰国前のパーティーに参加しました。淡江大学の学生スタッフが全て企画・運営したようです。最後はそれぞれのクラスとクラス専属の学生スタッフが別れを惜しむ場面も…。
学生スタッフが企画したパーティです。 歌にゲームに盛り上がります。
学生スタッフの李くんと

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日本とはかなり異なる環境で過ごした一週間が終わりました。終わってみれば「早かったな」と思います。ようやく慣れてきた頃に帰国となり、やや物足りなさを感じる学生もいたようです。ですが、バスや地下鉄など、台北での主要な交通機関を頻繁に利用したことで、次回は個人旅行でも気軽に来られるようになったのではないでしょうか。
 
下の写真は終業式の1コマ。中国語センター主任の周先生から修了書が手渡されました。たった一週間でしたが、授業以外にも学ぶことはたくさんあったと思います。帰国後は中国語の勉強をもっと頑張ろうという学生も多かったですね。 
やや緊張気味




9/5 オープンキャンパス

こんにちは。
今回は、9/5に開催されたオープンキャンパスの模様についてお伝えします。

今回も在学生による協力のもと、大学生活の紹介が行われたり、ゼミ紹介や模擬授業が行われたりと盛りだくさんの内容でした。参加してくれた十数名の高校生たちの反応はいかに。


在学生が自ら作成したスライドで大学生活を語ります。

 まずは、学科紹介、教員紹介、そして在学生による大学生活の紹介と続きます。学生によって時間割はさまざま。非常に融通が利く反面、各自の責任も大きいですね。みな、興味津々といった様子でした。その次は模擬授業です。今回はグループごとに分かれてさまざまなテーマについて質問をしたり、回答をしたりという「ゼミ」形式で進められました。

スライドで説明中
在学生もサポート
まず、重迫ゼミに参加している学生から説明がありました。実際のゼミで使用したプリントを配布し、それを参考にグループの中で「議論」するもよし、「情報交換」をするもよし、とのこと。高校生たちやご家族にとっては学生も教員も初対面です。まずは学生や教員から話題を提供することでスタート。

サブカルチャー関連授業の説明

賑やかに「ゼミ」がスタート 

とあるグループの中では、大学生活についての質問などがあがっていました。それを聞きつけた学生が、経験者としてわかりやすく説明をしてくれる場面も。また、野球の話でも熱い議論を戦わせているグループもありました。



自分の興味や関心を他者に対してどのように説明するか、他者とどのようにコミュニケーションをとるか、また、他者からの意見について自分はどのように考えるのか…。時折、グループの近くにいる教員たちがサポートをしながら進められた「ゼミ」の時間は、気づけばあっという間に終了時刻を迎えていました。

人間文化学科には、言語・文学・歴史などさまざまな専門の教員がおり、学生たちの興味・関心にも対応しつつ指導を行っています。自身の興味や関心が、教員のサポートにより一段と面白い趣味や学問となっていくことは、そのまま学生自身の成長にも繋がります。「単に“好きだった”ものを、卒論でここまで突き詰めていくことができて、本当に楽しかった。幸せだった」と話してくれた卒業生の言葉が思い出されます。

現在、学科のHPは移行作業を進めている最中です。公開できる内容はまだわずかですが、今後は少しずつ情報を公開していく予定です。



「文化フォーラム 2014」第5回、盛況に終了 

第5回 ウィリアム・フォークナーとアメリカ文学史 
2014年11月16日(日曜日)
講師:重迫和美(比治山大学 現代文化学部 教授) 

福山大学 人間文化学部人間文化学科主催「文化フォーラム 2014」(全5回)「アメリカ文学はなぜおもしろいのか」の第5回がふくやま文学館にて無事終了いたしました。 参加人数は、前回同様、20名弱(一般の皆様8名、学生3名、教員7名)でした。

第5回(2014年11月16日日曜日、14:00〜16:00)の今回は、比治山大学・言語文化学科教授、重迫和美先生の「アメリカ文学史とフォークナー」というタイトルでの講演でした。まず、膨大な資料のコピーを用意され、戦前から現代迄の日本におけるアメリカ文学史(研究)の変遷をアメリカで出版された文学史の本の影響も考慮しながら、キャノン(正典)の変化を中心とした実証的なお話でした。そして、フォークナーの評価がどのように変わってきたかをアメリカ文学史の中に位置づけ、「アメリカ文学はなぜおもしろいのか」を語っていただきました。 

フォーラム5‐1(小)

全回参加して下さった方からも、また田中先生からも、今年度のフォーラム全体を総括するコメントを頂き、全5回のフォーラムを締めくくるにふさわしい機会になったと思います。今回もお越しいただきました皆様に深く感謝致しております。

来年度は、日本文学を中心に皆様にご満足いただける文化フォーラムの開催を企画中ですのでご期待下さい。どうもありがとうございました。
(福山大学 人間文化学部 准教授 重迫隆司)

「文化フォーラム 2014」第4回、盛況に終了

第4回 アーネスト・ヘミングウェイと釣り
2014年10月19日(日曜日)
講師:若松正晃(福山大学 大学教育センター 講師)

福山大学 人間文化学部人間文化学科主催「文化フォーラム 2014」(全5回)「アメリカ文学はなぜおもしろいのか」の第4回がふくやま文学館にて無事終了いたしました。

参加人数は、久々の秋晴れのためか、20名弱(一般の皆様10名、学生1名、教員5名)でした。
第4回(2014年10月19日日曜日、14:00〜16:00)の今回は、福山大学・大学教育センターの若松正晃先生の「アーネスト・ヘミングウェイと釣り」というタイトルでの講演でした。田中久男先生の将来への期待を込めた紹介の後、自作の写真満載のスライド、作品理解に有効な映像を駆使されての講演であり、ヘミングウェイの魅力が大変分かり易く伝わってくる楽しく、有意義なものでした。

フォーラム4

最後の30分間を質疑応答に当てて頂いたので、会場にお越し頂いたほぼ全員の方から熱心なご質問、コメント、ご感想を頂くことができとてもすばらしい機会になったと思います。今回もお越しいただきました皆様に深く感謝致しております。

さて今年度の文化フォーラムは次回で最後となります。全体のまとめとしてフォークナーとアメリカ文学史の話を学外の先生にお話いただきますので、是非多くの方々にお越し頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(福山大学 人間文化学部 准教授 重迫隆司)

「文化フォーラム 2014」第3回、盛況に終了

第3回 O・ヘンリーとすてきな「贈り物」
2014年10月12日(日)14:00~16:00
講師:本田良平(福山平成大学 経営学部 講師)                                                       

福山大学 人間文化学部人間文化学科主催「文化フォーラム 2014」(全5回)「アメリカ文学はなぜおもしろいのか」の第3回がふくやま文学館にて無事終了いたしました。参加人数は、またもや連休の中日で、しかも台風19号接近中にもかかわらず、22名(一般の皆様17名、学生2名、教員3名)でした。

第3回(2014年10月12日日曜日、14:00〜16:00)の今回は、福山平成大学の本田良平先生が「O. ヘンリーとすてきな「贈り物」」というタイトルで、O. ヘンリーの「賢者の贈り物」(The Gift of Magi)を英語で少しずつ精読しながら解説されました。様々な既訳を参照しつつ、それぞれの訳者の苦労にも思いを馳せる翻訳論でもあり、翻訳だけではわからない英語の技法を分析しながらのO. ヘンリー文体論でもありました。

第3回フォーラム
                                                                     

90分間熱心に人柄溢れる講演をして頂いたので、質疑応答に当てる時間が少なくなったのが残念でしたが、発表ハンドアウトに先生のメールアドレスがありましたのでお気軽にご質問いただければと思います。毎回、しかも強引な日程にもかかわらずお越しいただきました皆様に深く感謝致しております。

今年度は、残り2回となりましたが、是非多くの方々にお越し頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(福山大学 人間文化学部 准教授 重迫隆司)

「文化フォーラム 2014」第2回、盛況に終了

第2回 エミリー・ディキンスンと音・色
2014年7月20日(日)14:00~16:00講師:重迫隆司(福山大学 人間文化学部 准教授)

エミリー・ディキンスンの詩にはタイトルがありません。それは、生前詩を出版することを拒んだ彼女が、ファシクルと呼ばれる自ら清書した冊子から、自分の詩を親しい人々への手紙の中で送っていたことと関係するかもしれません。

今回は、そんな手紙の中で彼女がタイトルを明かしている有名な詩(A Route of Evanescence / 1489/ J1463)を取り上げ、音と色の表現に注目しながら、ディキンスンの詩を読むおもしろさをご紹介してみたいと思います。

福山大学 人間文化学部人間文化学科主催「文化フォーラム 2014」(全5回)「アメリカ文学はなぜおもしろいのか」の第2回がふくやま文学館にて無事終了いたしました。参加人数は、連休の中日でもあったため、前回よりは少なく23名(一般の皆様15名、学生3名、教員5名)でした。

第2回(2014年7月20日日曜日、14:00〜16:00)の今回は、本学部准教授の私が「エミリー・ディキンスンと音・色」というタイトルで、詩にタイトルをつけないディキンスンが珍しく “Humming Bird” とタイトルのように言及している、有名な8行の詩、 “A Route of Evanescence” (1489/ J1463)を英語で精読し、解釈を示した上で、拙訳を提出いたしました。 90分間熱心に発表をお聴き頂いた上、質疑応答に当てていた最後の30分間にも、発表者にも参考になるご質問やコメント等をたくさん頂き、ありがたい限りでありました。人生経験を積まれた方々の文学や詩に対する真剣な姿勢には多いに学ぶべきところがあり感謝いたしております。

2014072002


次回以降も、魅力的な講演が続きますので、是非多くの方々にお越し頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
(福山大学人間文化学部 准教授 重迫隆司)

「文化フォーラム 2014」第1回、盛況に終了

第1回 マーク・トゥエインとアメリカ文学の新生 
2014年5月17日(土)10:30~12:00
講師:田中久男(福山大学 人間文化学部 客員教授)

合衆国の西部ミズーリ州出身のトウェインは、アメリカ文学のリンカーンと呼ばれますが、彼の登場によって、それまでのアメリカ文学の風景が一変しました。その変化の一つは、日常使われる粗野だが、元気のいい野性的な言葉が、現実を生き生きと描く方法を切り拓いたのです。もう一つは、ハックという社会のはみ出し者の野性児の目から、社会のゆがみや矛盾を批判する方法を生み出したのです。つまり、子どもの目の発見です。これによってトウェインは、仮面という大切な文学的武器を手に入れ、想像力を広げることができました。

福山大学 人間文化学部人間文化学科主催 「文化フォーラム 2014」(全5 回)「アメリカ文学はなぜおもしろいのか」の第1回が、盛況に終了いたしました。                                            
参加人数は、ふくやま文学館の落ち着いたセミナー室(定員30名)にちょうど良い35名(一般の皆様24名、学生6名、教員5名)でした。                                                                           
2014年5月17日土曜日、10:30から始まった、第1回は、本学部客員教授(広島大学名誉教授)田中久男先生による、「マーク・トウェインとアメリカ文学の新生―アメリカ人の西進衝動との照応―」でした。                                                                                                              
ジョン・ギャストの有名な絵画「アメリカの進歩」(1872)の読観解きから始まり、アメリカの地図を確認しながら、マーク・トウェイン文学のおもしろさを明らかにしていくもので、先生の博識のみならず、その親しみ易い語り口に会場にいた皆様からは感動の声とともに笑い声も絶えないあっという間のひと時でした。
                                                                                      
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12時までの予定で、質疑応答の時間を15分間取っていたにもかかわらず、ご質問が絶えず、次の予定のため会場を空けなければならないギリギリの時間迄田中先生は会場の皆様に丁寧にご説明されていました。
今回のフォーラムの他の後援者は皆、大学、大学院時代に田中先生に学んだものです。次回以降もがんばって、皆様に「アメリカ文学のおもしろさ」を一生懸命お伝えしていく所存でありますので今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。
(福山大学 人間文化学部 准教授 重迫隆司)