【学科HPから移行】井伏鱒二文学・宮沢賢治文学研究室

福山大学人間文化学科日本近現代文学研究室では、2007年から地元の文豪、井伏鱒二の「在所もの」を取り上げて、その舞台や小説に描かれた地域文化の調査を続けてきました。これまで取り上げた小説は、「朽助のゐる谷間」、「鐘供養の日」、「田園記」、「海揚り」、「鞆ノ津茶会記」です。


2016年は、その調査において出会った井伏の福山中学時代の同級生、高田類三氏のご子息奎吾氏から井伏の類三宛未公開書簡がもたらされ、今後の研究の拡張と本格化が可能となったところです。そして、今年度から文部省科学研究費の交付金による新たな調査を始めることとなりました。研究調査10年目の成果です。

また、本研究室では、宮沢賢治学会、中四国宮沢賢治研究会との連携で、井伏鱒二と宮沢賢治の文学を比較するシンポジウム(宮沢賢治学会福山セミナー)を実施してきました。宮沢賢治は井伏鱒二の2歳違いの同時代人であり、同時代の文学として共通するところがあります。今回の井伏鱒二の書簡調査においても、その共通点が予想されています。


これを機に、学生とのフィールドワークや、井伏未公開書簡の研究チーム(本学教授 青木美保、兵庫教育大学大学院教授 前田貞昭氏、本学非常勤講師 谷川充美氏)による調査の情報を、随時報告することとしました。手始めに、昨年度ゼミ生と実施した「鞆ノ津茶会記」フィールドワークの報告書をアップします。

■第一回 高田類三宛井伏鱒二未公開書簡調査(高田家家蔵資料調査)報告