ザンビアの素敵な仲間たち-NGO活動参加を通して見る未来

今回は、「ザンビア」という遠地で活躍してきた学生からの報告です。

「ザンビア」と聞いて、私はまず「どこだろう…」と思いました。そして、「なぜ、ザンビアに」とも。その理由は彼からの報告を読んでください。それではどうぞ。

ここです(「Wikipedia」より)

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人間文化学科2年のYです。昨年の8月14日から28日までの2週間、NGOの活動の一環で、アフリカのザンビアという国に行ってきました。なぜ参加の決意をしたのかというと、海外での経験が今後生きていく上において必ず役に立つと思ったからです。さらに、中学生の頃から発展途上国に興味があったのも、参加の決め手になった要因です。

関西空港から出発し、香港、ヨハネスブルグを経由し、ザンビアのルサカに到着しました。ザンビアでは、ペンバ、チカンタなどの地域訪問に始まり、毎年開かれている自然農法ショーというショーに参加しました。又、現地の方々とダンス、歌、ネットボール、サッカーなどで交流し、農家の方の家でホームステイも体験させて頂きました。


僕が今回の研修で一番感じた事は、現地の方々の「心の豊かさ」です。ザンビアの人々は毎日3食まともに食べることができず、服も決して綺麗ではありませんでした。街中にはごみが散乱しており、ゴミ箱から食べ物を探している子どもたちもいました。そんな現実を見たときに、決して楽観視できない物資面の深刻な問題があることを知りました。


しかし、訪問する先々で、歌や踊りで歓迎して下さり、僕たちを見かけるとほとんどの方が満面の笑顔で手を振ってくれました。さらに、ホームステイをした時に「普段何をしているのですか?」と尋ねると、いつも朝食後や夕食後に家族みんなで歌を歌ったり、ダンスしたり、将来について話をするということを聞き、確かに物資面での課題はあるかもしれませんが、とても心の豊かな方々だなと感じ学びました。本当の豊かさというのは、物質的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさも重要なのだという事をザンビア研修を通して感じました。


現在世界中では1日2万5000千人の人が飢餓により亡くなっています。ほとんどがアフリカの地域で。つまり、1分に17人、3、4秒に1人の人が亡くなっています。その内12人が子供だそうです。この話を聞いて皆さんはどう思うでしょうか?

僕はこれから自分の生活を見直し、一生懸命生きようと思いました。皆さんも時間のある大学生活のうちに、是非海外に足を運んでみてください!「1回の旅で人生は変わる」。ありがとうございました!

書店探訪-啓文社 ブックプラス緑町

Sです。今回は、福山市内の書店についての紹介です。

先日、「啓文社 ブックプラス緑町」に行ってきました。昨年オープンした複合商業施設の中にある書店です。雰囲気は写真を見ていただければと思います(掲載許可を取っています)。


仕事柄、中国関係の本棚を見てみると、「中国史 三国志」という棚がありました。専門書というより、一般書が中心です。その他、気付いたことといえば、

・いろいろなテーマで書籍展示している。

・店員さんのお勧め本コメント動画が流れている。

・店内の書籍を検索できる機器が設置されている。

・店内奥には子どもが遊べるスペースがある。

また、こちらには喫茶店が併設されています。早速、その喫茶店に入ってみました。「本と出会える珈琲店 BOOK MEETS COFFEE」とのことで、店内にはいろいろなテーマで本がディスプレイされていました。手にとって見ることもできます。(珈琲は一杯400円~)


選書テーマは4つほど(「珈琲を楽しむ。」「おやつ大好き。」「くらしについて。」「次の旅先。」)。ブックディレクターの方が選書担当とのこと。私が手に取ったのはこの本です。

『奇界遺産』

軽い気持ちで手に取ったのですが、面白くてずっと読んでしまいました。

「諸葛亮孔明の子孫が暮らす風水村(中国)」(八卦村のことです)

「ボリビアの忍者学校 (ボリビア)」

その他、ここでは載せることの憚られるものなど、普段の生活の中ではお目にかかれないものがたくさん。機会があれば手に取ってみて下さい。人文ブログなのでここは一つ文学作品でも…と思いましたが、今回は本書の誘惑に勝てませんでした。

HSK(漢語水平考試)に取り組む学生との座談会

清水です。今回はHSKについての記事をお送りします。人間文化学科では「語学資格取得支援」を行っており、中国語(HSKの個別指導)では、特に難しいとされるリスニングを中心に、単語や文法事項の対策を行っています昨年11月に実施されたHSKでは、1~4級に本学科の学生が合格しました。  

また、学生の中には福山大学孔子学院を活用しながら中国語を学ぶ学生もいます。以下、福山大学孔子学院も利用しながら中国語を学んできた学生2人人間文化学科4年の村上栞さん、メディア情報文化学科3年の住田佳奈美さん)の対談をお送りします。

お二人とも、こころよく対談とコメント執筆を引き受けて下さいました。ありがとうございます。きっかけや目標はそれぞれ異なりますが、中国語学習に興味を持っている方の参考になればと思います。

◆中国語を学ぼうと思った動機、きっかけは?

村上:
第二外国語を選ぶときに、中国語について説明してくれた女性の先輩が可愛かったので(笑)。先輩が行くなら私も中国語にしようかなと思いました。

住田:

高校生のときに、私の好きなアーティストの動画をたまたま中国語の字幕付きで見て、その中で、メンバーが海外公演をするために中国語を喋っていました。その時、波のような四声(四つのイントネーション)が独特で、新鮮で面白いなと思いました。

英語はみんな勉強するけど、中国語をしている人が周りにいなかったので、だったら中国語をやりたいなと思ったんです。高校では中国語を学ぶ機会が結局ないまま卒業しましたが、大学では言語が選べる→それなら中国語!となりました。


学んでみて(留学してみて)、面白かったこと、難しかったことなどありますか?

住田:
漢字の違いです。日本語も中国語も漢字を使うけど、たとえば「ごんべん」は簡体字だと違ってきます。日本人は漢字が読めるのでフィーリングで読めちゃいますが、どう読んでも読めない漢字や単語もあります。それが読めたりすると、「わかった!」ってなります。都市圏に行くと多言語の張り紙もよく目にしますよね。日本人が読めなさそうなものが分かった時、小さな喜びを感じます。

村上:

実際に中国語で交流している時が面白かったです。留学時の友人の中にスペイン人の女の子がいて、その子がすごく中国語ができる子で、携帯の機能について教えてくれて。頼りになるなって思いました。

あとは、一番仲が良かった子に、博士課程のモンゴル人の子がいました。また、留学中に北京市内に1人で公園に遊びに行ったりしていました。ちなみに、この留学は、福山大学孔子学院のサマーキャンプがきっかけになっています。

住田:
発音の種類が多い中国語は、音声学的にも、日本人にとって難しいと思います。確か日本人は、shは簡単にできるけど、他はすぐには難しいと聞いたことがあります。


孔子学院へはいつから通学しているんですか?

村上:
サマーキャンプに1年生の時に行って、その後からずっと行っています。そのきっかけは大久保先生(孔子学院前学院長)がきっかけです。HSKを受けたならサマーキャンプに行ってみない?と言われて。

住田:
サマーキャンプは1年生の時から行きたくて、むしろ入学する前から行きたくて。1回1年生の時に、大久保先生が来学してお話くださったんですが、その時はアルバイトの関係で行けず、2年生の時にはサークル活動が忙しくて行けず。3年になって「行くなら今しかない」と思いました。

実際、孔子学院に通ってみてどうですか?どういう授業をしているのですか?

村上:
教科書をもらって、それをやっています。今(当時)のクラスは「上級2」なんですけど、その先生はほぼ中国語でした。少人数制で、今3人でやっています。1人の時や、マンツーマンの時もあります。1人は男子高校生で、お父さんが中国人のハーフの子です。

住田:
私は中級クラスを受けているんですが、中国人の先生が日本語を交えながら授業してくださいます。初級ではほぼ日本語でしたが、中級になると中国語で授業が進むことも多く、とても良い刺激になります。
 

孔子学院のおすすめポイントは?

村上:

中国語を勉強する時間がしっかり取れること。性格的に、孔子学院のような(中国語を学ぶことを目的とする)場所に行かないと勉強が続かないので…。あと、授業料も安いです!

住田:

(先生方は授業以外の)時間もとってくださいますし、講座内や平日でも空いているときに気軽に行けます() 中国文化の切り絵をしたり映画を見ることも出来るし、孔子学院の日にはサマーキャンプで中国に訪れた時に買ったチャイナドレスを着て、中国茶を楽しみました。 

今の目標は?
 
村上:
次はHSK6級※1をとりたいです。


住田:

私は、HSK5級最低限4級※2を目指して(孔子学院に)入ったので、卒業するまでにはとれたらいいなと思っています。ちょっと厳しいかもしれませんが。中国人の人と話ができたらいいなと。困っているときなど、英語以外の言語でも、実生活で話せたらいいなと思います。

また、福山大学に入学して本当によかったと思っています。高校の時、福大には中国人の留学生が多いと先生から聞いたのですが、その環境は大歓迎だと思いました。中国人の留学生の方はどなたも丁寧に教えてくださるので私はすごく嬉しくて。

孔子学院に入って1つ下の経済学部の男の子がすごく頑張っていて、「ああ、こっちに来てやっている子もいるんだ」ととても刺激になりました。年上の方もいれば年下の子もいるし、世代間の壁がありません。学校で一斉に勉強するのとは違う、新鮮な感覚で中国語が学べます。


※1 HSKの級設定…「初級:1、2級」「中級:3、4級」「上級:5、6級」

※2 この記事の編集期間中、4級に合格されました。おめでとうございます!



 

「一起学习汉语吧!」=「一緒に中国語を勉強しましょう!」

    





ジンブン授業紹介-「現代芸術とサブカルチャー論」

「ジンブン(人間文化学科)」には、日本のみならず諸外国の歴史・文学・思想・言語を専門とする教員がいます。そのため、「さまざまな分野の勉強をすることができる」とよく言われるのですが、「では具体的にどのようなことを勉強するのか」と疑問に思う方もいると思います。そこで学科ブログでは、不定期で学科の授業紹介をしたいと思います。

記念すべき第1回は、重迫先生(学科長)担当の「現代芸術とサブカルチャー論」です。「サブカル」という言葉でも親しまれているサブカルチャー。NHKでも「ニッポン戦後サブカルチャー史」「ニッポン戦後サブカルチャー史Ⅱ」という番組が過去に放送されていました。

しかし、そもそも「サブカルチャー」とは何なのでしょうか。こうしたことについても学ぶ事ができる貴重な授業だと思います。以下、重迫先生による紹介です。

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この講義では、初回ガイダンスの後、第2回「「現代」「芸術」「現代芸術」の定義」でそれらを定義した後、エヴァンゲリオンのテレビ版の第壱話を観ます。そして第3回「サブカルチャーの定義と研究する現代的意義」の回で、私の解釈を述べた後、ウルトラセブンの第8話を観て、アニメと特撮の関わり、「リスペクトの連鎖」、新しいものは古いものの中にあることについて考察します。

また、第5回「映画と特撮」の回では、SF映画の歴史のDVDを観た後、特殊撮影の果たす役割、またジャンルとしての特撮作品(ゴジラ、ウルトラマン等)の「リアル」について、そしてSFと現実との関係について考察します。続く第6回「円谷英二とジョージ・ルーカス」では、二人の生涯をたどりながら、「なぜ、子どもだけでなく大人も魅了する作品を生み出せたのか」を二人の共通点(子どもの時の夢、時代に対するメッセージ等)を比較しつつ考察します。

この講義でお勧めしたいのは、後半に始まる学生の研究発表です。

 前半迄の理論的考察をもとに、各自がもっとも愛するサブカルチャーについて行う熱きプレゼンテーションはとても感動的です。毎年、学生だけでなく教員も、最新の作品やテーマを学ばせてもらっています。以下、「参考文献」のKAWADE 夢ムックのシリーズです。






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知っている作品や作家などありましたか?

ルクシアタで朗読ライブ!-「福山大学朗読愛好会」より

清水です。今回は学科の学生が12/20に参加した「灯りの朗読会」について、学科の学生に記事をお願いしました。ではお願いします!

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はじめまして、人間文化学科2年のKです。

このたび、私の所属する「福山大学朗読愛好会」のメンバーで、12/20の「灯りの朗読ライブ」にて約15分間に渡る朗読を披露させて頂きました!(12/12~20まで、福山市民図書館で開催された「ルクシアタ2015」のイベントの1つです

演目は、地元作家である井伏鱒二の短編「朽助のいる谷間」を三場面に分け、抜粋したものです。また、青年、朽助、少女という3人でパート分けして各々演じたのですが、配役も合っており、良かったと思いました。私は少女役でしたが、普段少女のセリフをいうことがをやることがあまりなかったのでとても楽しかったです!皆様も是非、「朽助のいる谷間」、ご一読下さい!

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当日を迎えるまで様々なことがありました。

まず、この「福山大学朗読愛好会」(命名は我らが青木先生)、発足は約2ヶ月前という、ある意味超過密スケジュールでした(笑) 青木先生に声を掛けていただいたと思えば、いつの間にかこの「朗読愛好会」のメンバーとなっていました。

それからはまさに光陰矢のごとし。あっという間に練習期間が過ぎ、本番が近づきました。本番3日前には、今回バックミュージックに素晴らしい箏(しかも弦が17本ある!)の演奏をして下さった甲便さんとのたった一回の合同練習を経ていざ本番。

練習風景!

本番前はみんな緊張していました!(きっと極度に緊張する私の感情がうつってしまったのだと思います、ごめんなさい(笑)) ですが結果、沢山の方々の前で精一杯の朗読が出来たのではないかと思います!

演目終了後に司会の方から少し質問をいただいたのですが、そのときまで私達の言葉に耳を傾けて下さった聴衆の皆様には本当に感謝しかありません。ありがとうございました!最初は本当に2ヶ月後に朗読ライブ出場という急なお話で皆戸惑っていましたが、結果として出来たものが良いものになり、本当に部員一同、安堵と達成感で胸が一杯です。

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改めまして。

青木先生をはじめ、甲便さんやチラシ製作に携わって下さった皆様、授業中に朗読ライブの宣伝をして下さった重迫先生、司会者様、スタッフの皆様…あげるとキリがありませんが、本当にお世話になりました。そして本当にありがとうございました!

そしてこれを機に井伏鱒二作品をはじめ文学の良さ、大切さをを少しでも朗読を通じて知って頂けるのであればこれに越した喜びはありません!最初は朗読ライブのみのために結成された愛好会ですが、今後も継続していく予定です。これからも「福山大学朗読愛好会」、頑張って参りますので応援よろしくお願いいたします!

ちなみに、参加も随時OKなので、参加を希望する方は人間文化学科の青木先生を訪ねて下さい!!! お待ちしております。想い出に残る1日。実りある1日になったことへの喜びを噛み締めつつ、この辺りで筆を置かせて頂きます。最後までありがとうございました!

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ふたたび清水です。Kさん、ありがとうございました。当日の模様は、学長室ブログにもアップされています(青木先生からのご寄稿です)。チェックしてみて下さいね。


図書館セミナー「本de自分史―もうすぐ絶滅するという紙の書物について―」(回想篇)

清水です。今回は、今年5月に行われた図書館セミナー(舞台裏)の記事を再アップします。担当は脇先生です。ではどうぞ。

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去る5月27日(水)に、平成27年度の「第一回図書館セミナー」が開催されました。このイベントについては、すでにKさんによる報告が学長室ブログにアップされています。ということで、学科HPでは、企画者自らこのイベントの“舞台裏”を明かそうと思います。

【序】妄想からの構想

きっかけは雑談から。

そもそもの発端は、友人との雑談でした。「初めて買ったCDって何だったか覚えてる?」と、質問したのかされたのか…ある程度年齢を重ねると、過去を振り返りたくなるときがあるものです。みなさんの「初めてのCD(レコード?)」は何でしたか?

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ちなみに私は、中学三年生あたり、たぶん次の二つのどちらかです(ジャケットをクリックするとAmazonのページに飛びます)。そのとき、ふっと思ったのです。 「初めてのCD」は話題に出ることがあっても、「初めての本」はなかなか話題に上らないなぁ…あ、これ面白いかも、と。

三人の“語り部”とタイトル

「図書館セミナー」の依頼がきたのは、そんなときでした。
 従来の講演形式ではなく、複数人の“語り部”で雑談(?)をするという発想は、芸能人や作家などが行うトークイベントからいただきました。大学のイベントも、もっと肩の力を抜いたもののほうがきっと面白いはず。

イベントのタイトルはすぐに決まりました。某ドーナツ屋さんの人気メニューから「本de自分史」。サブタイトルは、エーコ(イタリアの文学者・哲学者)の本から「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」。

このサブタイトルをつけたのにも、理由があります。スマホの普及が私たちに及ぼす影響について考えたかったからです。紙媒体の「本」を擁護するというよりも、「書く/読む」が日常から消えていくことの功罪や、それがもたらす私たちの変化を捉えたかったのです。別の表現をすれば、「本は豊かな心を育む」などといった感情論的な反応ではなく、電子書籍に正面から立ち向かえる切り口を見つけたいと考えたのでした。

【破】三人×三問の化学反応

三つの質問

さて、私が“語り部”として声をかけたのは竹盛先生と若松先生でした。竹盛先生と私は国語(日本語)という分野での共通項があり、若松先生と私は同級生という年齢での共通項がありました。専門分野や年齢でどのような違いが出てくるのか…このイベントでの最大のポイントは、人選にあると思います。

私を含めた三人は、事前に以下のアンケートに回答しました。みなさんの答えはどのようなものでしょうか?

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今まで読んだ本の中から「この3冊」(ターニングポイントになった本/印象に強く残っている本など)を挙げてください。ただし、1冊目については「記憶の中で最初に出てくる本」という条件をつけます。

① 記憶の糸を手繰って過去の記憶を呼び覚ましてください。
                                                 記憶の糸の端にある「最初の本」は何ですか?
② 次の1冊を挙げてください。

③ 最後の1冊を挙げてください。

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三人の結果は以下の通りです(クリックするとamazonのサイトにとびます)。

竹盛…① モーツアルトの伝記 
     ② 竹内芳郎『言語・その解体と創造』
     ③ 椎名誠『定本 岳物語』

脇……① コナン・ドイル「まだらの紐」
          ② 山田詠美『ぼくは勉強ができない』
          ③ ロールズ,J.『正義論』

若松…① ヘルマン・ヘッセ『車輪の下』
          ② アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』
          ③ ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』

せっかくなので、当日特に盛り上がったものを一人一冊ずつご紹介。

・脇の一冊:「まだらの紐」
 作者からおわかりのように、そう、シャーロック・ホームズです。たしか小学校三年生か四年生で読んだはず。今なお、伏線のたくさん張られた物語が大好きです。まさに原体験。画面に書名を出した瞬間「おぉ!」という声が。わたしはその後、横溝正史や江戸川乱歩にもハマるのですが、参加者の中にも仲間がたくさんいたようです。

・若松先生の一冊:『ユリシーズ』
 驚きの声があがったのは、その話の長さ。わずか一日を描くために、ハードカバー(邦訳)で三巻! そして、作者であるジョイス特有の表現にも注目が集まっていました。同じイギリス文学である『不思議の国のアリス』もそうですが、原文(英語)片手に読むとその面白さが何倍にもなります。ジョイスの言語感覚は…何と言えばよいのか…とにかく凄まじい。ぜひ一読を。

・竹盛先生の一冊:『定本 岳物語』
この本は父子の物語なのですが、当日は、竹盛先生とかつての教え子の物語が語られました。その内容に、参加者全員の心がたしかに動きました。書くのがもったいないので秘密にしておきます(笑)印象的だったのは、「誰かに気持ちを込めて『贈る』ということができるのは、本であって、データ(電子書籍)ではない」ということです。

【急】俺たちに明日は、ある?-本と大学の存在意義

予想通り、参加者のみなさんは紙媒体の本が好きな方ばかりでした。電子書籍の優れた点を挙げる学生もいましたが、その学生も紙媒体は捨て難い様子。その感覚/感情の正体は一体何なのでしょうか?紙でなければならない理由などあるのでしょうか?

電子書籍やスマホに移行する功罪はきっとあります。問題は、その“罪”がどういうものなのか未だによくわからないということです。もしその“罪”が社会に対して取り返しのつかない悪影響を及ぼすのだとしたら、大きな声で世の中に警告する必要があります。それこそ、私たち人文学系の学科/研究者の仕事だと思うのです。
また逢う日まで

はたして「次回」はあるのか…私にもまだわかりません。ただ、いつかこれを本屋さん(店舗内)で開催したいという野望をもっています。テーマや人選を変えれば、無限の組み合わせで楽しめますよね。どうあれ、“語り部”三人は、楽しい時間を過ごしましたがどっと疲れました(笑)

最後に、ご参加くださったみなさまに心より感謝いたします。私の妄想に振り回された竹盛先生と若松先生にも、感謝と同情を。

小中一貫教育研究会に参加してきました!


12月5日(土)広島大学附属三原幼稚園・小学校・中学校で開催された平成27年度第18回幼小中一貫教育研究会に、主に国語科教育法と英語科教育法を履修している本学科の学生7名(4年生1名、3年生5名、2年生1名)が参加してきました。研究会は2日にわたって開催されましたが、学生達の授業の関係で、二日目の公開授業と教科別協議会の参加となりました。

表情は真剣そのものです

広島大学附属三原幼稚園・小学校・中学校は文部科学省研究開発学校に指定され、研究開発課題を「社会的自立の基礎となる資質・能力及び態度・価値観の体系的な育成のための、幼小中一貫の新領域を核とした自己開発型教育の研究開発」としています。今回はその研究開発課題に基づいて実践された小学校・中学校の授業を観察しました。


こちらも少し緊張気味ですが、生徒以上に熱心に参加しました

学生達は日ごろ教科教育法で学習した理論や研究法を実際授業でどのように実践されているのかを観察することができ大変有意義だったようです。この後、学生たちは各教科教育法の授業の中で研究会を振り返り、小中連携を通した授業や研究課題に基づいた授業のあり方などを議論しました。学生たちは実際の授業を観察し、意欲が高まったようです。

今後、3年生の学生たちは教育実習に向けて教科教育法以外にも様々な事前指導を受け、教育実習の準備に取り掛かっていきます。