2014年7月20日(日)14:00~16:00講師:重迫隆司(福山大学 人間文化学部 准教授)
エミリー・ディキンスンの詩にはタイトルがありません。それは、生前詩を出版することを拒んだ彼女が、ファシクルと呼ばれる自ら清書した冊子から、自分の詩を親しい人々への手紙の中で送っていたことと関係するかもしれません。
今回は、そんな手紙の中で彼女がタイトルを明かしている有名な詩(A Route of Evanescence / 1489/ J1463)を取り上げ、音と色の表現に注目しながら、ディキンスンの詩を読むおもしろさをご紹介してみたいと思います。
福山大学 人間文化学部人間文化学科主催「文化フォーラム 2014」(全5回)「アメリカ文学はなぜおもしろいのか」の第2回がふくやま文学館にて無事終了いたしました。参加人数は、連休の中日でもあったため、前回よりは少なく23名(一般の皆様15名、学生3名、教員5名)でした。
第2回(2014年7月20日日曜日、14:00〜16:00)の今回は、本学部准教授の私が「エミリー・ディキンスンと音・色」というタイトルで、詩にタイトルをつけないディキンスンが珍しく “Humming Bird” とタイトルのように言及している、有名な8行の詩、 “A Route of Evanescence” (1489/ J1463)を英語で精読し、解釈を示した上で、拙訳を提出いたしました。 90分間熱心に発表をお聴き頂いた上、質疑応答に当てていた最後の30分間にも、発表者にも参考になるご質問やコメント等をたくさん頂き、ありがたい限りでありました。人生経験を積まれた方々の文学や詩に対する真剣な姿勢には多いに学ぶべきところがあり感謝いたしております。
次回以降も、魅力的な講演が続きますので、是非多くの方々にお越し頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
(福山大学人間文化学部 准教授 重迫隆司)